本拠ほんきょ)” の例文
土民たちが、附近の物陰へ隠れ込まないうちに、武蔵は、土塀をこえて、ただ一人、土匪の本拠ほんきょとしている農家の中へはいって行った。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明智はそこで文代さんの行方ゆくえについて、「人間豹」の本拠ほんきょについて、それを攻撃する手段について、手短かに打ち合わせをすませると、公衆電話を飛び出し、大通りにけつけて
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そして途々みちみち、民家へ放火しながら、徳川勢の追撃を防ぎ防ぎ、その日のうちに、秀吉の本拠ほんきょ——楽田がくでんの基地へ帰ってしまった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
別所一族が七千余人を以て守る三木城の本拠ほんきょそのものは、いわゆる天嶮てんけんを占めているし、一族郎党の血にむすばれている強兵だし、加うるに
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼方此方あちこちに、各〻、ばいをふくんで潜伏せんぷくしている同志たちは、この一日、曾てない緊張を示して、石町の本拠ほんきょから
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれは、その本拠ほんきょ楽田がくでんにあって、池田父子が発向したあと、つまり九日の朝——細川忠興ほそかわただおきをよんで
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丹羽長秀の本拠ほんきょ佐和山さわやまを攻めさせてこれを収め、秀吉の城長浜も同時におとしいれた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)