あん)” の例文
「ついにそんな事を有仰おつしやつた事の無い貴方が、今日に限つて今のやうに有仰ると、日頃私共に御不足がおあんなすつて」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
母親おっかアさん、そんな事をおっしゃるけれど、文さんは此地こっちなんか心当りがおあんなさるの」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私の事はかまひませんから雅さんが貰つて下さるお心持がおあんなさるのか、どうだか唯それを聞して下さいな
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
成程儀剛ぎごはな片意地なところもおあんなすつて、色恋の事なんぞには貪着とんちやくを遊ばさん方で、それで私の心も汲分けては下さらんのかと、さうも又思つたり致して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)