曳張ひっぱ)” の例文
慾がこたアねえ、是で慾張って居るだが、何方どっちかというと足癖のわりい馬ア曳張ひっぱって、下り坂を歩くより、兄いと二人で此処こけえ来て、斯う遣って酔って居ればいからね
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ぎいと一声長く曳張ひっぱるかと思えば、水車が樫の木を呼びかけたのであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ぬき出しは出来なかったが、ちぎれたらくいかねないいきおいで、曳張ひっぱり曳張りしたもんだから、三日めあたりから——蛇は悧巧りこうで——湯のまわりにのたっていて、人を見て遁げるのに尾の方をさきへ入れて