早天そうてん)” の例文
早天そうてんに家から東に当る霊場に行って日の出を拝み、それから南をあるいて日の入りは西の方で拝むという例もある。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
鉱山のお客だとか云う三人づれが、昨夜ゆうべから柳屋の奥に飲みあかしていて、今朝けさ早天そうてんから近所構わずに騒いでいたが、もう大抵騒ぎ草臥くたびれたと見えて、午頃ひるごろには生酔なまよい漸々だんだんに倒れてしまった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
中川のすずきおびき出され、八月二十日の早天そうてんに、独り出で、小舟を浮べて終日釣りけるが、思はしき獲物も無く、潮加減さへ面白からざりければ、残り惜しくは思へども、早く見切りをつけ
釣好隠居の懺悔 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
孝「最早一刻も猶予致す時でございませんゆえ、みょう早天そうてん出立致す了簡です」