料理屋レスタウラン)” の例文
木蔭には野生の雛罌粟ひなげし其他そのたの草花がたけ高くさき乱れて、山鳩のむれが馬蹄の音にも驚かずにりて居る。フツクと云ふ家は何となく東京の王子の扇屋あふぎや聯想れんさうさせる田舎の料理屋レスタウランである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
腹が減つたのでちがつたみちを登つて街へ引返したが、黒塗の大きな木靴をひきずつて敷石の上に音をさせなが悠然のつそりと歩くふとつた老人が土地で一流の料理屋レスタウラン「アンリイ四世楼」を教へてれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
博物館前の料理屋レスタウランでゆつくり午餐ひるめしを済ませた上疲労して居る晶子を馬車に載せて市の中央にある公園の池のほとりを一周し、旅館ホテルへ一旦引返して晶子を休養させ、更に僕一人で午後の見物に出掛けた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)