むら)” の例文
以上三曲、いずれをいずれと言いがたい出来だ。ピアティゴルスキーには、むらと癖のないことは、この三曲を並べて聴いてつくづく感ずるだろう。
おつそろしくむらのある文章だ! 一目で人間の書いたものでないことが分つてしまふ——初手はなはちやんとまとまつてゐたが、末の方で犬式に足を出してしまつてゐらあ。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
した、そして外側が赤で、内側に白と紫のむらのある花の咲く、人の高さ程の大きな叢になる此の草はヂギタリス(狐尾草)と云ひます。花は長い鈴か、手袋の指先のやうな形を
汗はあわせの裏をとおして、古い書物の汚れみたいに、茶無地の表に、白いむらを描いていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じゃア何故、その雪は、あんなむらな、不公平な降りかたをしたんです」
寒の夜晴れ (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)