摺臼すりうす)” の例文
みんなはいつの間にかそれを摺臼すりうすにかけていました。大きな唐箕がもうえつけられてフウフウフウと廻っていました。
石油発動機が庭の真ん中で凄い響きを立てて唸り、稲扱いねこぎ万牙も唐箕とうみ摺臼すりうすも眼がまわるような早さで回転していた。
濁酒を恋う (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
とにかくに摺臼すりうす唐箕とうみが採用せられて、玄米げんまいの俵が商品となるまでの間は、稲作作業の終局と考えられたのは、稲扱いねこきという仕事が済んだことであった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
何かの折に年寄りなどがふと言い出しはしないか。これからもどうか気をつけていてもらいたい。御承知の通り摺臼すりうすが一般農村に普及したのはそう古いことではない。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
米の籾摺もみすりにも一旦は横杵の使用があって、多くの城下町では粡町あらまちと称して、一区画をその作業の地にてていたが、程なく各農家が摺臼すりうすを使用することになって、玄米納租げんまいのうそが行われ
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
摺臼すりうすというものが入ってくる前には、玄米を得るのは木臼きうす手杵てぎねとの労働であった。上代の舂米部つきよねべの任務は今日の舂米屋つきごめやのそれとは異なり、主として籾を玄米にすることを目的とした。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)