掻出かきだ)” の例文
大蛇だいじゃあぎといたような、真紅まっかな土の空洞うつろの中に、づほらとした黒いかたまりが見えたのを、くわの先で掻出かきだして見ると——かめで。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と文治も一生懸命であかを掻出かきだして居ります。烈風ます/\たけり狂って、黒雲くろくも彼方かなた此方こなたしゅをそゝいだようになりました。船頭はこれを赤じまと申します。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)