打語うちかた)” の例文
これは東国の田舎武士にて候、年ごろの望みかのうて、このほど叔父、おい、友ども打語うちかたらい、におうみこえ、花の都へ、見物に入りもうして候。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重政がこの絵本にはその他なほ楽屋裏の新道しんみち編笠あみがさ深き若衆形わかしゅがたの楽屋入りを見せ、舞台のうしろに囃子方はやしかた腰かけて三味線きゐるかたわらに扮装せる役者の打語うちかたれるあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
前日の如く忠実にれが負担の業務をるに至りたり、ここに於て室内も、自ら陽気となり、始めて愁眉を開くことを、予が看護中の心事しんじなど、打語うちかたりつつありしこと、僅かに二
その間々あいだあいだなる椅子いすには裲襠しかけ着たる遊女同じく長柄ながえのコップを持ち、三絃きゐる芸者と打語うちかたれり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)