手軽てがる)” の例文
旧字:手輕
母親を欺す空泣そらなきの気の替り目手軽てがるにて「聞いた/\」の出にて二重より飛び下るる所は、舞台もゆるぐばかりの勢にて気味よし。
その行列は存外手軽てがるで、僅かに与力同心と小者のたぐいと同勢十人足らずで、甲州街道を上って行きました。
それでS、Hとこゝでつたのをさいわひにわたし手軽てがるにそのことはなしたのであつた。するとS、Hは「危険きけんだな——」といふやうな口吻こうふん卒然そつぜんらしたものであつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
扨天ぷら斗りでは、異国仕入の毛類に等しく、酒好口さけのみくちに重ければ、一寸手軽てがるにあつさりと、洗魚あらひ碗盛わんもり塩焼ぐらい、地織結城の活魚ぢまはりもので、ざこば料理も初めよ、と御進めゆゑにとりあへず
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
赤茄子あかなすスープ(手軽てがる) 秋 第二百四十七 二十銭料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
引越ひっこしはれいによって至極しごく手軽てがるでございました。
ヘットの手軽てがる製法せいほう 夏 第百六十四 食物の臭気
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)