手力たぢから)” の例文
「おれよりももつと手力たぢからを養へ。おれよりももつと智慧ちゑを磨け。おれよりももつと、……」
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「君がため手力たぢから疲れ織りたるきぬぞ、春さらばいかなる色にりてばけむ」(巻七・一二八一)なども、女の気持であるが、やはり労働歌で、はた織りながらうたう女の歌の気持である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
押しあててかたき胡桃は手力たぢからこめ掌にぞひしりとつぶしつるかも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
手力たぢからの弱や十歩とあしに鐘やみて桜散るなり山の夜の寺
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
わが手力たぢからは知らじかと
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
石戸いはと手力たぢからもがも手弱たよわをみなにしあればすべらなく 〔巻三・四一九〕 同
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
手力たぢからのほこりもきて弱心よわこゝろなやむひととき
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)