はづ)” の例文
読み返しくに、はづかしきことのみ多き心の跡なれば、あきらかにやはらぎたるあら御光みひかりもとには、ひときはだしぐるしき心地ぞする。晶子
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
扨も世を無常と觀じては斯かる侘しき住居も、大梵高臺の樂みに換へらるゝものよと思へば、あるじの貴さも彌増いやまして、今宵こよひの我身やゝはづかしく覺ゆ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
梅子は良久しばらくしてわづかかほを上げぬ「私共わたくしども一家が、何程どんなに賤しきものと御見えになるで御座いませう、——私は神様にお祈するさへはづかしさに堪へないので御座いますよ——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)