“愧(はずか)” の例文
こんなに太っておりますから、もうお愧(はずか)しいほど暑いのでございます、今時は毎日二度も三度も来てはこうやって汗を
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分の意志の力と云うものは、恐ろしく弱いことを愧(はずか)しく思う。私の理智は明るいのだ。が、只、その理智を発動させて外にあらわす意志が弱いのだ。
中川さん、このカツレツは誠に不出来でお愧(はずか)しゅうございますが貴君(あなた)に一つ本式の料理法を伺(うかが)いたいと思います、私どもがカツレツを拵(こしら)えますとどうしても白く出来ません。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
いかにも愧(はずか)しいキマリの悪い事に違いなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
母に後を向け、小さな盆に湯呑をのせていた伸子は、自分達二人が愧(はずか)しいような、大きな家の隅っこにいじけてかたまっているような、いやな心持がした。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
寂(さび)しくってなりません、本当(ほんと)にお愧(はずか)しゅうございますが、こんな山の中に引籠(ひっこも)っておりますと、ものをいうことも忘れましたようで、心細いのでございますよ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
保は、母の話におとなしく対手になりながら、あのふっくりした瞼のかげに平らかにおいた瞳のなかで母のために愧(はずか)しさを感じていたのではなかったろうか。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
貴僧(あなた)ずんずんいらっしゃいましな、どうもしはしません。こう云う処ですからあんなものまで人懐(なつか)しゅうございます、厭(いや)じゃないかね、お前達と友達をみたようで愧(はずか)しい、あれいけませんよ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立派な人が描いてやると云ったら、自分まだそれだけの内容なく愧(はずか)しとことわるだろうから。
僕は大変愧(はずか)しいことだと思ったと、終りの一句にアンダラインしてよこした。
おもかげ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
そして、あの人々に、このいやさを訴えたいこころもちと半ばして、訴えることさえ愧(はずか)しいと感じる心があった。伸子はこの意味のはっきりしない不愉快事を素子にさえ、話す気がしなかった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
今は云わば愧(はずか)しいなんていうのは自分の心があからむだけのことみたいなところがあるから、ひどいことになってゆくのでしょう。自分に向ってしらばっくれてしまえば、万事OKであるわけです。
愧(はずか)しいことだと思う。
子供のためには (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
伸子は愧(はずか)しく思った。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)