惡智慧わるぢゑ)” の例文
新字:悪智慧
直ぐ樣三河屋の離室の、七平を叩き起し、馬鹿の音次郎に惡智慧わるぢゑを吹き込んだことを責めました。が、七平の言葉には、何の惡意があつたとも思はれません。
見ては居られぬが私しの持前もちまへゆゑ是非ぜひなく彼の人々をかくまひしに相違さうゐ御座なく候何れ双方さうはうたゞしの上は明白に相分り申べく殊に只今の御用人中は非道ひだうの者共にて殿へ惡智慧わるぢゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは多分半藏の惡智慧わるぢゑだらう。九尺二間の星野門彌の家から、大病人の目を盜んで刀を持出すことは何でもない、門彌兄妹と嘉平太の睨み合ひは町内で知らぬ者もない
己が養女やうぢよとして支度したくも立派に調へ水呑村九助方へぞ送りける茲に又惣内は九郎兵衞に惡智慧わるぢゑを加れ村中の山林さんりんうり或ひは質入しちいれなどにせし事あらはれければ村方小前一とう百五十軒集合しふがふして惣内が不埓ふらちすぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
解剖などといふことの行はれなかつた昔、人間の體内に撃ち込んだ兇器は、そのまゝ死骸と共に大地の下に埋められて、永久に解る筈は無いと思つたのは恐るべき惡智慧わるぢゑです。
「そんな事だらうと思つたよ、恐しく惡智慧わるぢゑの廻る野郎だ」