よろこば)” の例文
私の心はよろこばしさに充ちて居ります。それは皆様といふ沢山なお友達を得ることが出来たからであります。
〔編輯余話〕 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
始の程は何者の美形びけいとも得知れざりしを、医員の中に例のくるしめられしがありて、名著なうて美人びじクリイムともらせしより、いとど人の耳を驚かし、目をよろこばす種とはなりて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
用がなければ用がないといって寄越せ、又学問を勉強して不死半生の色の青い大学者になってかえって来るより、筋骨たくましき無学文盲なものになって帰て来い、その方が余程よろこばしい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
僕は無上によろこばしくなって、つかつかとその店へ入って、僕自身の理髪日を繰上げてまでも、店主坂下君を煩わし、壁間に掲げてある、東京美髪協会総裁×爵大××麿閣下よりたまわりし
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
滝が仰山な舌鼓を打つて、彼女の料理の腕前を最大級の讚め言葉を放つて賞美すると、彼女は真からよろこばしさうに顔をあからめて深味のこもつた上眼を輝かせました。
舞踏会余話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)