忌言葉いみことば)” の例文
上方では夜分の忌言葉いみことばとして残っているだけだが(民俗学四巻六号など)、中国・九州に行くとこれが普通の名であり、鹿児島県と南の島々ではまたアマンともいっている。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
人程見かけにらない者はありません。これから気をけてると、黒髪かみも人知れず染め、鏡を朝晩にながめ、御召物のしま華美はでなのをり、忌言葉いみことばは聞いたばかりでいやな御顔をなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
鼠がネズミだということをちゃんと知っておりながら、それを公言しないのは忌言葉いみことばである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかも鼠を捕ろうとして取りがすと、その復讎ふくしゅうが最も怖ろしいものと信じられて、常の日も決して彼らの本名を口にせず、家々村々には色々の忌言葉いみことばがあって、たとえば殿とのがなし、家主やぬしがなし
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)