心霊しんれい)” の例文
旧字:心靈
諸君もかねてお聞きおよびかと思う例の心霊しんれい研究会で、有名なるN女史という霊媒れいばいを通じて、作者がその亡友から聞いた告白なのである。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
捨てた父母は何者か知らぬが、巳代吉が唖ながら心霊しんれい手巧しゅこう職人風のイナセな容子を見れば、祖父母の何者かが想像されぬでもない。巳代吉は三歳みっつまでは口をきいた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
だれにも一人ひとり守護霊しゅごれいいてることは、心霊しんれいこころざ方々かたがた御承知ごしょうちとおりでございますが、わたくしにも勿論もちろん一人ひとり守護霊しゅごれいいてり、そしてその守護霊しゅごれいとの関係かんけいはただ現世げんせのみにかぎらず
一座には、はかまをはいてあごの先にひげを生やしている男が、しきりに心霊しんれいの物理学について論じていた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは、いつか鼠坂ねずみざか心霊しんれい実験会で逢い、それからのち、真夜中の銀座裏で突飛とっぴな質問を浴せかけたあの神田仁太郎という怪青年に瓜二つの顔だったから。しかし、あれは日本での出来ごとだった。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)