心陰こころひそか)” の例文
に顔の色はみづからすごしと見るまでに変れるを、庭の内をば幾周いくめぐりして我はこの色を隠さんとらんと、彼は心陰こころひそかおのれあざけるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
為すべきは必ず為して、おのれてらはず、ひとおとしめず、恭謹にしてしかも気節に乏からざるなど、世に難有ありがたき若者なり、と鰐淵はむし心陰こころひそかに彼をおそれたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼のいささかづる色無きを見て、二人は心陰こころひそかあきれぬ。あなどりし風早もかくてはくみやすからず思へるなるべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)