御燈明みあかし)” の例文
新字:御灯明
「牛をつけるには及ばぬ」善信は、持仏堂の御燈明みあかしから紙燭しそくへ灯をうつして再び出てきた。そして、その灯を、絢爛けんらん糸毛輦いとげのくるまのすだれのすそへ置いた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宮柱太しく立てる神殿いと広くきよらなるに、此方こなたより彼方かなた二行ふたつらともしつらねたる御燈明みあかしの奥深く見えたる、祝詞の声のほがらかに澄みて聞えたる、胆にこたえ身にみて有りがたく覚えぬ。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
口嗽ぎただちをろがみ、珠數かぞへ南無妙法蓮華經、かがなべて朝に五千、ひる過ぎて夕かけて三千、湯を浴み、御燈明みあかしけ、殘りの二千、一萬遍唱へつづけて、眞正まただしくひと日もおちず、國のため
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
口嗽ぎただちをろがみ、珠数かぞへ南無妙法蓮華経、かがなべて朝に五千、ひる過ぎて夕かけて三千、湯を浴み、御燈明みあかしけ、残りの二千、一万遍唱へつづけて、真正まただしくひと日もおちず、国のため
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さうして悄然しほしほ御燈明みあかしをあげにゆく。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)