“糸毛輦”の読み方と例文
読み方割合
いとげのくるま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「牛をつけるには及ばぬ」善信は、持仏堂の御燈明みあかしから紙燭しそくへ灯をうつして再び出てきた。そして、その灯を、絢爛けんらん糸毛輦いとげのくるまのすだれのすそへ置いた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「かしこまりました」——だが、野川の御所の曲がりから、もうその糸毛輦いとげのくるまは人の目をよび集めた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
絢爛をきわめた新調の糸毛輦いとげのくるまである。それへ、膝をつめあわせて共に乗った盛装の若い男女は、どんな絵の具や金泥きんでいを盛りあげてもきあらわせないほど華麗であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)