御大層ごたいそう)” の例文
ところへ何処かの奥さんが来て、お母さんと談話はなしを始めた。やはり見物に来たんだ。御大層ごたいそうなりをしている。ちんを抱いている。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
女房にようぼいわく、御大層ごたいそうな事をお言ひでないうちのお米が井戸端ゐどばたへ持つて出られるかえ其儘そのまゝりのしづまつたのは、辛辣しんらつな後者のかちに帰したのだらう(十八日)
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
「帯屋七郎左衛門、なんだか御大層ごたいそうな家だ、おいらの泊る家じゃねえや」
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その御大層ごたいそうもない茶壺を、あの品川へ着いた夜の酒宴さかもりに、三島から狙ってきたこのおいらに、見ごとに盗みだされるたア、強いだけでのうのねえ田舎ざむれえ、よくもああ木偶でくの坊が揃ったもんだと
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)