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御伽噺
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おとぎばなし
ふりがな文庫
“
御伽噺
(
おとぎばなし
)” の例文
こうしたじめじめした
池沼
(
ちしょう
)
のほとりの雰囲気はいつも自分の頭のどこかに幼い頃から巣くっている色々な
御伽噺
(
おとぎばなし
)
中の妖精を思い出すようである。
雨の上高地
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
金の卵の
噺
(
はなし
)
から書き始めようとしても、幾久しく聞き馴れた月並の
御伽噺
(
おとぎばなし
)
にありふれた事では面白からず、因って絶体絶命、金の卵の代りにキンダマ
譚
(
ばなし
)
からやり始める。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
浦島に於ける竜宮、または雀の宿、日本の
御伽噺
(
おとぎばなし
)
はみな古人の妾宅へのあこがれを伝えたものだ。君は僕のお伽草紙という著書を読んだかね? なに、読まない? 不勉強極まるね。
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
雨に
鎖
(
とざ
)
された山の中の宿屋で、こういう昔の物語めいた、
嘘
(
うそ
)
か
真
(
まこと
)
か分らないことを聞かされたときは、
御伽噺
(
おとぎばなし
)
でも読んだ子供の時のような気がして、何となく古めかしい
香
(
におい
)
に包まれた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
王 (王女の
髪
(
かみ
)
を
撫
(
な
)
でながら)
有難
(
ありがと
)
う。よくそう云ってくれました。わたしも
悪魔
(
あくま
)
ではありません。悪魔も同様な黒ん坊の王は
御伽噺
(
おとぎばなし
)
にあるだけです。(王子に)そうじゃありませんか?
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
この中に大きな人間が這入っていたなんて、
御伽噺
(
おとぎばなし
)
の魔法の
壺
(
つぼ
)
じゃあるまいし
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ワンダーランドのアリスの冒険の一場面を想い出した。顕微鏡下の世界の驚異にはしかし
御伽噺
(
おとぎばなし
)
作者などの思いも付かなかったものがあるらしい。
高原
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
老人は
襖
(
ふすま
)
に背をもたせて
御伽噺
(
おとぎばなし
)
の本を眼鏡でたどっていた。私は裏庭を左にした壁のオルガンの前に腰かけて、指の先の鍵盤から湧き上がる快い楽音の波に包まれて、しばらくは何事も思わなかった。
小さな出来事
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
伽
漢検準1級
部首:⼈
7画
噺
漢検準1級
部首:⼝
16画
“御伽”で始まる語句
御伽
御伽話
御伽草子
御伽婢子
御伽衆
御伽桜
御伽童
御伽羅
御伽談
御伽品鏡