“待対(たいたい)” の例文
待対(たいたい)世界の凡(すべ)てのものが悉(こと/″\)く条件つきで其(その)存在を許されてゐる以上、向後(かうご)に回復されべき欧洲の平和にも、亦(また)絶対の権威が伴つてゐない事だけは誰の眼にも明かである。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ただ詩人と画客(がかく)なるものあって、飽(あ)くまでこの待対(たいたい)世界の精華を嚼(か)んで、徹骨徹髄(てっこつてつずい)の清きを知る。霞(かすみ)を餐(さん)し、露を嚥(の)み、紫(し)を品(ひん)し、紅(こう)を評(ひょう)して、死に至って悔いぬ。彼らの楽は物に着(ちゃく)するのではない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)