待夜たいや)” の例文
某日あるひ住持は檀家だんか待夜たいやに招かれたので、名音も其の供をしてったが、意外に手間取って帰ったのは夜の十二時過ぎであった。
法華僧の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
源順みなもとのしたごう、庚申待夜たいや、伊勢斎宮に侍りて、和歌を奉る、小序に曰く、掛麻久毛畏幾大神かけまくもかしこきおおかみ怜礼登毛あわれとも愛美幸賜天牟めぐみさきわいたまいてん〉とある由。
薪とりにいでし四十九日目の待夜たいや也とていとなみたる仏㕝ぶつじにはかにめでたき酒宴さかもりとなりしと仔細こまかかたりしは、九右エ門といひし小間居こまゐ農夫ひやくしやう也き。
すると葬式も済み、待夜たいやも済んで、まず一片付ひとかたづきというところへ一人の女が尋ねて来た。三番目の兄が出て応接して見ると、その女は彼にこんな事をいた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)