トップ
>
弾煙
>
たまけむり
ふりがな文庫
“
弾煙
(
たまけむり
)” の例文
すでに味方の左翼が猛突撃を起しているにかかわらず、しきりと
弾煙
(
たまけむり
)
のみ立てて、火器の威力を
恃
(
たの
)
み過ぎていたためである。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしこの鈍い音響も、また途端にばくとして揚がった
弾煙
(
たまけむり
)
の匂いも、甲冑の武者の血を猛ぶらすには充分なものだった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それへ向って、対岸の
葭
(
よし
)
の中から、ぱッと
弾煙
(
たまけむり
)
が立ち、つづいて、パチパチパチとつるべ撃ちが
注
(
そそ
)
がれたのであった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊織は、耳を抑えて、熊笹の中へ
俯
(
う
)
ッ伏した。とたんに、うすい
弾煙
(
たまけむり
)
のながれた樹陰で、ぎゃッ——と、生き物が断末を告げる刹那の——あの不気味なさけび声が聞えた。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その虚を
衝
(
つ
)
いたのである。淵之助に
倣
(
なら
)
って、阿部仁右衛門も岸九兵衛も、劣らじと、捨身に出た。パパパッと
慌
(
あわ
)
てた
弾煙
(
たまけむり
)
が立った。こう撃つ弾は
中
(
あた
)
っていないこと確かである。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
だれかとおもうと、さいぜん、
弾煙
(
たまけむり
)
のなかにたおれた
木隠龍太郎
(
こがくれりゅうたろう
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
果たせるかな、妙見坂を降り、尾野路ノ浜の
渚
(
なぎさ
)
まで見える平地まで来ると、俄然、両側から、佐久間勢の押太鼓が、耳も
聾
(
ろう
)
せんばかり鳴りとどろき、あたりも見えぬ
弾煙
(
たまけむり
)
が、中川隊をつつみ出した。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弾
常用漢字
中学
部首:⼸
12画
煙
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
“弾”で始まる語句
弾
弾丸
弾機
弾正
弾劾
弾条
弾力
弾痕
弾薬盒
弾手