廓通くるわがよ)” の例文
彼は少しくふところをあっためたので、すぐに港崎町の廓通くるわがよいをはじめて、岩亀楼の小秀という女を相方あいかたに、身分不相応の大尽風だいじんかぜを吹かせていたが
半七捕物帳:40 異人の首 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
若旦那柳絮はいつぞやなかちょうの茶屋に開かれた河東節かとうぶしのおさらいから病付やみつきとなって、三日に上げぬ廓通くるわがよいの末はおきまりの勘当かんどうとなり、女の仕送りを受けて
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大名が廓通くるわがよひに夢中になつたやうに、將軍家光が雜司ヶ谷の鷹狩に夢中になつたのも無理のないことです。
そういうおり、彼はいつでも上方における大石の廓通くるわがよいのことを想いだして、自分で自分に弁解いいわけをした。もちろん、頭領がしたから自分も遣っていいというのではない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
徽宗きそう皇帝、地下の坑道あなみちから廓通くるわがよ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「意気過ぎますぜ、親分は。まるで島田重三郎か白井権八の廓通くるわがよいという図だ」
「意氣過ぎますぜ、親分は。まるで島田重三郎か白井權八の廓通くるわがよひといふ圖だ」