幾巡いくめぐ)” の例文
かれは、午前ごぜんのうちにかけ、おおくのひとたちとともに、れつをつくってならんだが、そのながれつは、えんえんとして、さながら長蛇ちょうだのごとく、運動場うんどうじょう内側うちがわ幾巡いくめぐりもしたのであります。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
利三は紙燭ししょくを持って先に立つ。幾巡いくめぐりする廻廊の長い間行き合う人もない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして縁づたいに幾巡いくめぐりしてようやく評定の間へもどって来た。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)