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幾層倍
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いくそうばい
ふりがな文庫
“
幾層倍
(
いくそうばい
)” の例文
身も心もきっと蠍の様に醜怪な
獰悪
(
どうあく
)
な
奴
(
やつ
)
に違いないとは想像しても、そいつの正体がまるで分らないものだから、目に見える蠍などよりは、
幾層倍
(
いくそうばい
)
も気味悪く恐ろしく感じられた。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
こういう
大大名
(
おおだいみょう
)
のうしろ
楯
(
だて
)
を持っている彼らのかたき討よりも、無名の
匹夫
(
ひっぷ
)
匹婦
(
ひっぷ
)
のかたき討には
幾層倍
(
いくそうばい
)
の
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
が伴っていることと察しられるが、舞台の小さいものは伝わらない。
かたき討雑感
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
また
吾等
(
われら
)
の
頭
(
かしら
)
の
上
(
うへ
)
で
大空
(
おほぞら
)
高
(
たか
)
う
鳴響
(
なりひゞ
)
くあの
奏樂
(
そうがく
)
も、
雲雀
(
ひばり
)
の
聲
(
こゑ
)
では
無
(
な
)
いと
言
(
い
)
はう。
去
(
い
)
にたいよりも
此處
(
こゝ
)
に
居
(
ゐ
)
たいが
幾層倍
(
いくそうばい
)
ぢゃ。さ、
死
(
し
)
よ、
來
(
きた
)
れ、
喜
(
よろこ
)
んで
迎
(
むか
)
へう! それがヂュリエットの
望
(
のぞみ
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
だが、見物たちよりも、
幾層倍
(
いくそうばい
)
の驚きにうたれたのは、本人の江川蘭子であった。夢中に歌いつづけていた時、突然、立っている床が、足の下から消えてゆくような衝撃を感じた。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
層
常用漢字
小6
部首:⼫
14画
倍
常用漢字
小3
部首:⼈
10画
“幾層”で始まる語句
幾層