平将門たいらのまさかど)” の例文
旧字:平將門
天慶てんぎょうの昔、平将門たいらのまさかどが亡びた時に、彼は十六歳の美しい娘を後に残して、田原藤太たわらとうたの矢先にかかった。娘は陸奥みちのくに落ちて来て、尼となった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
天慶てんぎょうのむかし、この東国で平将門たいらのまさかどが乱を起した時、人のわるい藤原秀郷ひでさとは、わざと彼の人物を視てやろうと、加勢といつわって会いに行った。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平将門たいらのまさかど比叡山ひえいざんから美しい京都の町を眺めて、「ええッあの中にあばれ込んでできるだけしつこく楽しんでやりたい」
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
神田明神では平将門たいらのまさかどの霊を祀り、佐野はその将門を攻めほろぼした俵藤太秀郷たわらとうたひでさと後裔こうえいだからというのであります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
例えば源氏の頭領源頼信みなもとのよりのぶの如き、また平新皇とまで云われた平将門たいらのまさかどの如きすらがそれで、頼信よりのぶは関白藤原道兼ふじわらのみちかねの家人となり、将門まさかどは太政大臣藤原忠平ふじわらのただひら家人けにんになっておりました。
あの辺は、むかし関東の野を追われた平将門たいらのまさかどの一族と、甲州武田を落ちて土着した子孫が住んでいる。それで剣術は、甲源一刀流が流行はやっている。それだ、その男だ、あれは……
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかしですな、僕等がこの大正時代に於てうまで讃嘆するこの裸婦の美をですな、我国古代の紳士淑女達——たとえば素盞嗚尊すさのおのみこと藤原鎌足ふじわらのかまたり平将門たいらのまさかど、清少納言、達が果して同等に驚嘆するかですな
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
柳生一族が、この土地に住みはじめたのは、平将門たいらのまさかどの乱があった承平、天慶の時代からであった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天慶てんぎょう年中、平将門たいらのまさかどが、関八州にあばれた頃は、ここに源経基つねもと対峙たいじしていたことがあり、またそれから八十年後の長元年間には、平忠恒ただつねが叛乱に際し、源頼信は征夷大将軍に補せられて
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)