カーテン)” の例文
下関発上り一二等特急、富士号、二等寝台車の上段のカーテンをピッタリととざして、シャツに猿股さるまた一つのまま枕元の豆電燈をけた。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さて、彼と彼の助力者たちは、カーテンの後に引き退さがつた。デント大佐に率ゐられた、も一つの組は、半圓形に列べた椅子に掛けた。
それから、これはごく内々ない/\の話だが、汽車には寝台車といふものがあつて、相当の料金さへ出せば、誰にも顔を見られず、一人でカーテンのなかで思ひ出し笑ひが出来る仕掛になつてゐるさうだ。
歯科病院のカーテンは入歯のごとき色したり
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)