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巫山
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ふざん
ふりがな文庫
“
巫山
(
ふざん
)” の例文
桃源、
巫山
(
ふざん
)
、蓬莱洲、いわゆる世界の別天地とはこんなものではあるまいか? こう思われるほど四辺の光景は気高く美しい物であった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
素袍
(
すおう
)
、狩衣、唐衣、
綾
(
あや
)
と錦の影を交えて、風ある
状
(
さま
)
に、裾袂、追いつ追われつ、ひらひらと立舞う風情に閨を
繞
(
めぐ
)
った。
巫山
(
ふざん
)
の雲に
桟
(
かけはし
)
懸
(
かか
)
れば、名もなき恋の
淵
(
ふち
)
あらむ。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あれは平中の心の中には、
何時
(
いつ
)
も
巫山
(
ふざん
)
の
神女
(
しんによ
)
のやうな、
人倫
(
じんりん
)
を絶した美人の姿が、
髣髴
(
はうふつ
)
と浮んでゐるからだよ。平中は何時も世間の女に、さう云ふ美しさを見ようとしてゐる。
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一〇〇
巫山
(
ふざん
)
の雲、
一〇一
漢宮
(
かんきゆう
)
の
幻
(
まぼろし
)
にもあらざるやとくりごとはてしぞなき。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「曾て滄海を経て水たりがたく、
巫山
(
ふざん
)
を
除却
(
じょきゃく
)
してこれ雲ならず」
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
我等亦多言するを
須
(
もち
)
ひずと
雖
(
いえど
)
も、其の明治大正の文芸に
羅曼
(
ロマン
)
主義の大道を打開し、
艶
(
えん
)
は
巫山
(
ふざん
)
の雨意よりも濃に、壮は易水の風色よりも烈なる鏡花世界を現出したるは
啻
(
ただ
)
に一代の壮挙たるのみならず
「鏡花全集」目録開口
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
道々洞庭や三峡や、
巫山
(
ふざん
)
などで悠遊した。
岷山の隠士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“巫山”の解説
巫山(ふざん)は中国・重慶市巫山県と湖北省の境にある名山。長江が山中を貫流して、巫峡を形成する。山は重畳して天日を隠蔽するという。巫山十二峰と言われ、その中で代表的なものに神女峰がある。
巫山は四川盆地の東半部に多数平行して走る褶曲山脈の中でも最も大きく最も東にある山脈で、四川盆地の北東の境界に北西から南東へ走る褶曲山脈の大巴山脈へと合わさってゆく。長さは40km余り、主峰の烏雲頂は海抜2,400mに達する。
(出典:Wikipedia)
巫
漢検1級
部首:⼯
7画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“巫山”で始まる語句
巫山戯
巫山戲
巫山戯方
巫山巫峡
巫山戯切