左兵衛さひょうえ)” の例文
こうノ武蔵守師直、吉良左兵衛さひょうえじょう、桃井修理亮しゅりのすけ大高たいこう伊予守、上杉伊豆、岩松の禅師頼有らいう、土岐弾正、おなじく道謙どうけん、佐竹義敦よしあつ、ほか三浦、石堂、仁木
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このほど検校けんぎょうのみゆるしを賜わった盲法師で、そのおん礼のため、左兵衛さひょうえかみ(尊氏)さまにともなわれて、今日、春の宮(東宮)へも伺うたよしを聞いております。
「おっ。……それでは、やはり後宇多法皇の院御所に、北面ほくめん(院ノ武者)としておいで遊ばした左兵衛さひょうえじょう兼好かねよしさまでございましたか。……まあ、なんたるお変りよう」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誤解という、いわれなき魔、形なき魔のするわざです。左兵衛さひょうえかみさま。およばぬながらも、この正成がおもてをおかして、そのことにつき、宮へはご諫言かんげんをこころみまする。
尊氏が三位の参議、左兵衛さひょうえかみであるにたいし、正成はじゅ五位河内守たるにすぎない。
それは、左兵衛さひょうえノ府の衛士えじたちの声々だった。一せいに、ながえとらえて、下乗を命じる。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その「新千載集」には、左兵衛さひょうえかみ直義と、名もれいれいしく、こう見える。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『それでも、左兵衛さひょうえ様は、よいお慰みと、可愛がっていらっしゃいます』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正三位左兵衛さひょうえかみじょされ、八座の宰相さいしょう(参議)の御一人にも挙げられ、殿上人てんじょうびとの列にも列せられてみると、置文のお誓いなど、自然お心からうすらいでしまうのは、人情自然かともぞんじますが
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「腹掻き切って、左兵衛さひょうえかみ(兄尊氏)どのへお詫びせん」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)