川筋かわすじ)” の例文
その絵巻えまきひろげた川筋かわすじ景色けしきを、るともなく横目よこめながら、千きちおに七はかたをならべて、しずかにはしうえ浅草御門あさくさごもんほうへとあゆみをはこんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
私の村は県道に沿うた町並まちなみで、山も近くにあるのはほんの丘陵であったが、西に川筋かわすじが通って奥在所おくざいしょは深く、やはりグヒンサンの話の多い地方であった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それから一晩、川筋かわすじのそうさくをつづけましたが、どうしても、ふたりを見つけだすことはできませんでした。
鉄人Q (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
滑るがように心持よく三十間堀さんじっけんぼりの堀割をつたわって、夕風の空高く竹問屋の青竹の聳立そばだっている竹河岸たけがしを左手に眺め真直まっすぐ八丁堀はっちょうぼり川筋かわすじをば永代えいたいさして進んで行った。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
遠賀川おんががわ、……川筋かわすじ……)
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)