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巉岩
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ざんがん
ふりがな文庫
“
巉岩
(
ざんがん
)” の例文
背後は嶮山左右は
巉岩
(
ざんがん
)
、そうして前は大海です。空には月も星も無く、嵐に追われる黒雲ばかりが海の方へ海の方へと走って行くばかり、真に物凄い場所でした。
赤格子九郎右衛門
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
昨日で
辟易
(
へきえき
)
した
幔幕
(
まんまく
)
、またぞろ行く手を
遮
(
さえぎ
)
る、幕の内連が御幕の内にいるのは当然だ、と負け惜みをいいつつ、右に折れ、
巉岩
(
ざんがん
)
にて築き上げた怪峰二、三をすぎ、八時
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
そこに
峙
(
そばだ
)
っている鷲峰山は標高はようやく三千尺に過ぎないが、
巉岩
(
ざんがん
)
絶壁をもって削り立っているので、昔、
役
(
えん
)
の
小角
(
おづぬ
)
が開創したといわれている
近畿
(
きんき
)
の霊場の一つである。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
岩魚の寝入っているのも見物したいが夜中に
巉岩
(
ざんがん
)
を蹈む勇気もなくて行かなかった、小一時間も過ぎると人夫が帰えって来た、明日の仕度もあるから喰うだけ獲て来たというて
平ヶ岳登攀記
(新字新仮名)
/
高頭仁兵衛
(著)
花が
発
(
ひら
)
くのと同じで、万象の色が真の瞬間に改まる、槍と穂高と、
兀々
(
ごつごつ
)
した
巉岩
(
ざんがん
)
が、先ず浄い天火に洗われて
容
(
かたち
)
を改めた、自分の踏んでいる脚の下の
石楠花
(
しゃくなげ
)
や
偃松
(
はいまつ
)
や、白樺の
稚
(
おさな
)
いのが
奥常念岳の絶巓に立つ記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
大同ダムで
堰
(
せ
)
き止められて、本来の懸崖の三分の一以上、二百
仞
(
じん
)
も高く盛り
上
(
あが
)
ったその
水際
(
みずぎわ
)
には、すなわち現実における
魚
(
うお
)
は緑樹の
梢
(
こずえ
)
にのぼり
巉岩
(
ざんがん
)
は
河底
(
かてい
)
の暗処に没して
幽明
(
ゆうめい
)
さらに分ちがたい。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
巉
漢検1級
部首:⼭
20画
岩
常用漢字
小2
部首:⼭
8画
“巉”で始まる語句
巉巌
巉道
巉
巉厳
巉峭
巉崕