また)” の例文
疲れた時には舟の小縁へ持って行ってきりを立てて、その錐の上にくじらひげを据えて、その鬚に持たせたまたいとをくいこませて休む。これを「いとかけ」と申しました。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
巨人に根を肩にさせ自分は枝のまたに坐っているのを巨人一向気付かず一人して大木を担げあるいたのでつかれてしまった、それから巨人の家に往って宿ると縫工夜間寝床に臥せず室隅に臥す
道が二またに分かれるところに大きな胡桃くるみの樹が立っている、その右側に噴き井のあるのをみつけて、彼はまず顔を洗い、朝日のぬくぬくと射しつけている草の上に腰を下ろして鞄を開いた。
花咲かぬリラ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)