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せうたいちやう
「
留つとつちやいかん。
用のない
者はずんずん
前進する‥‥」と、
騷ぎの
最中に
小隊長の
大島少尉ががみがみした
聲で
呶鳴つた。
「
眠つては
危險だぞ。
左手の
川に
氣を
附けろ‥‥」と、
暫くすると
突然前の
方で
小隊長の
大島少尉の
呶鳴る
聲が
聞えた。
指揮刀の
鞘の
銀色を
闇の
中に
閃かしてゐる
小隊長の
大島少尉さへよろけながら
歩いてゐるのが、五六
歩先に
見えた。