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小鍛冶
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こかぢ
信如は机の引出しから京都みやげに
貰ひたる、
小鍛冶の
小刀を取出して見すれば、よく利れそうだねへと
覗き込む長吉が顔、あぶなし
此物を振廻してなる事か。
扨はとばかり瀧口は、折紙の
面を
凝視めつゝ
暫時茫然として居たりしが、何思ひけん、
豫じめ祕藏せし昔の
名殘の
小鍛冶の鞘卷、
狼狽しく取出して
衣の袖に隱し持ち、麓の方に急ぎける。
信如は
机の
引出しから
京都みやげに
貰ひたる、
小鍛冶の
小刀を
取出して
見すれば、よく
利れそうだねへと
覗き
込む
長吉が
顏、あぶなし
此物を
振廻してなる
事か。