寝部屋ねべや)” の例文
わたしたちの寝部屋ねべやをわたしはどんなに美しいと思ったろう。そこには白い寝台ねだいがならんでいた。まどは湖水を見晴らす露台ろだいに向かって開いていた。
買い求めると番頭に見咎みとがめられぬようにさおどうとを別々に天井裏てんじょううら寝部屋ねべやへ持ち込み
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その時、女王様は立ち上って、寝部屋ねべやへ行こうとされました。
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)
そこを書斎とも応接間とも寝部屋ねべやともしてきた。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おまえ、わたしがまっすぐに歩けるか見てやろうと思っているんだな。よし、この行儀ぎょうぎよくならんだしき石を一つ一つふんで、子どもの寝部屋ねべやまで行けるかどうか、かけをしようか」
たいていのびんぼう人の家がそうであるように、わたしたちの家の台所も、やはり寝部屋ねべやをかねていた。のそばには食事の道具がのこらずあった。食卓しょくたくもパンのはこもなべも食器しょっきだなもあった。