“寐顔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねがお50.0%
ねがほ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その夜竜子はいつものように、生れてから十七年、同じように枕を並べて寝た母の寐顔ねがおを、次のからさす電燈の火影ほかげにしみじみと打眺めた。
寐顔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
音のしないように気を付けてそのそばすわった彼は、心持くびを延ばして、細君の顔を上からのぞき込んだ。それからそっと手を彼女の寐顔ねがおの上にかざした。彼女は口を閉じていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と枕のはしを指もて音なへど、眠れるにもあらぬ貫一は何の答をも与へず、満枝は起ちてベッドの彼方あなたへ廻り行きて、彼の寐顔ねがほ差覗さしのぞきつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
口あける青き寐顔ねがほ
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)