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寐坊
「坊様。あんたあお
父さまとおっ
母さまと夜何をするか知っておりんさるかあ。あんたあ
寐坊じゃけえ知りんさるまあ。あははは」
半歳ちかくたって、或日の朝重吉はいつものように
寐坊な女を二階へ置いたまま、事務所への出がけ、独り
上框で靴をはいていると、その鼻先へ郵便
脚夫が雑誌のような印刷物二
「
其癖朝湯に
行ける
日は、
屹度寐坊なさるのね」と
細君は
調戲ふ
樣な
口調であつた。
小六は
腹の
中で
是が
兄の
性來の
弱點であると
思ひ
込んでゐた。