富田とみた)” の例文
富田とみただんとモンクスがしっかと握手あくしゅした。左右七メートルへだててぱッと飛びのいた。その瞬間しゅんかんに、勇ましい試合開始のかね
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
秀吉がふいにそこを訪れたので、家臣の富田とみた左近将監もあわてたが、一室にやすんでいた柴田勝豊は殊のほか驚いて、急いで病床から出ようとした。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時は——大正——年十月十日午前四時、所は——ちょうの町外れ、富田とみた博士邸裏の鉄道線路、これが舞台面だ。
一枚の切符 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もと二二出雲いづもの国松江のさと生長ひととなりて、赤穴宗右衛門あかな(そうゑもん)といふ者なるが、わづかに二三兵書へいしよむねあきらめしによりて、二四富田とみたの城主二五塩冶掃部介えんやかもんのすけ、吾を師として物まなび給ひしに
「おや、富田とみたが通る」と一人が云う。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
モンクスは緑のパンツ、富田とみただんあらい清めた柔道着じゅうどうぎ黒帯姿くろおびすがた審判しんぱんのアメリカ人がモンクスのグラブを富田六段にさわらして、グラブの中になんにもはいっていないことをしめす。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
もと出雲いずもくに松江の出身で、赤穴宗右衛門あかなそうえもんという者ですが、すこしばかり軍学の書に通じていたので、富田とみたの城主塩冶掃部介えんやかもんのすけが、私を師として軍学を学ぶという立場におりましたところ
モンクスはいよいよ、覚悟かくごをきめたらしい。足踏あしぶみしながらすきをうかがっていたが、相手がいつまでも動かないので、思いきってだッと飛びみ、富田とみただんほおへものすごい横打スイング
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)