寄邊よるべ)” の例文
新字:寄辺
身にまと何樣どのやうなる出世もなるはずを娘に別れ孫を失ひ寄邊よるべなぎさ捨小舟すてこぶねのかゝる島さへなきぞとわつばかりに泣沈なきしづめり寶澤は默然もくねんと此長物語を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さうでございます。寄邊よるべと云ふやうな者は一人もありませんし、英國中で何處かの家に入れて貰ふ權利は私には一つもございません。」
マリウチアとペツポとのわが身を爭ひて、わが全く寄邊よるべなき身の上となりしは、まことに限なき不幸なりき。
わが曾て敬し曾て愛しつる影像は、皆碎けて塵となり、わが寄邊よるべなき靈魂は其間に漂へり。