宿料しゅくりょう)” の例文
その宿屋やどや亭主ていしゅは、あいつには一週間の宿料しゅくりょうしがあるから、あの悪党あくとう、どうかしてつかまえてやりたいと言っていた。
赤煉瓦あかれんがの小じんまりした二階建が気に入ったので、割合に高い一週二ポンド宿料しゅくりょうを払って、裏の部屋を一間ひとま借り受けた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それがの人ならば、宿料しゅくりょうを取ることも出来よう。貞固はおのれが主人となっては、人に銭を使わせたことがないのである。保はどうしても四人前の費用を弁ぜなくてはならない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
君がそういう態度で、二年もいる客に対する気ならそれで好い。こっちにも料簡りょうけんがある。僕は過去二年の間君のうちに厄介になっているが、一カ月でも宿料しゅくりょうとどこおらした事があるかい
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたしはいつも親方が一人で出て行ったあと、ジョリクールといっしょに宿屋やどやのこっていた。ある朝かれが帰って来ると、宿やど亭主ていしゅがとどこおっている宿料しゅくりょう要求ようきゅうしたことを話した。
月給をみんな宿料しゅくりょうはらっても追っつかないかもしれぬ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)