家風かふう)” の例文
どんな無理も不平も、その場では、良人へ口応くちごたえはせぬ妻であった。いや時代の家風かふうだったといってよい。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それじゃいけませんよ。もう普通の交際じゃないんですからね。あなたのところの家風かふうにはまるように教育する積りで、悪いところは充分言い聞かせて下さい」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
経久ひてとどめ給ふとも、ひさしきまじはりを思はば、ひそかに商鞅叔座がまことをつくすべきに、只一三八栄利えいりにのみ走りて一三九士家しかふうなきは、すなはち尼子の家風かふうなるべし。
しかし、家風かふうの上から、そののち、男爵は再び九条家へ、おかえりになったのでした。(前掲一七四頁)
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)