家治いえはる)” の例文
当時の将軍家は、十代家治いえはるであった。軽くうなずいて紅錦こうきんふくろをとりだす。いわゆる肌着はだつきのお巾着きんちゃく、守りかぎとともに添えてあるのを
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昔将軍家治いえはる取入とりいった田沼主殿頭意次たぬまとのものかみおきつぐのように、美男で弁舌が巧みで、その上これは——古今の佞臣ねいしんに共通の特色ですが、曾て人と争うことなく
田沼父子が、将軍家治いえはるを挟んで、どんなに権力をふるったか、そして、どんなに賄賂をむさぼったかは歴史上の問題で、此処ここに詳説するまでもありません。
前将軍家重いえしげ遊惰ゆうだなこと。今の十代家治いえはるの悠々逸楽いつらく
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)