威張いばり)” の例文
一 ちと手前味噌てまえみそに似たれど、かかる種の物語現代の文学界には、先づ稀有けうのものなるべく、威張いばりていへば一の新現象なり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
そうかと思うと洋服に高帽子で居酒屋に飛込んで見たり、垢染あかじみた綿服の尻からげか何かで立派な料理屋へ澄まして入って見たり、大袈裟おおげさ威張いばり散らして一文も祝儀をやらなかったり
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
かほねば承知しようちせぬぞと威張いばりたてるを聞流きゝながしに二かい座敷ざしき結城ゆふきれあげて、今夜こんや頭痛づゝうがするので御酒ごしゆ相手あいて出來できませぬ、大勢おほぜいなかれば御酒ごしゆふて夢中むちうになるもれませぬから
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)