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姑獲鳥
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うぶめ
ふりがな文庫
“
姑獲鳥
(
うぶめ
)” の例文
この時
芒
(
すすき
)
の原の小松の蔭から、また
嬰児
(
あかんぼ
)
の泣き声がしたが、やがて早瀬の
姑獲鳥
(
うぶめ
)
のような姿が、芒を分けて歩いて来るのが見えた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ふん、難産の
呻吟声
(
うめきごえ
)
だ。はあ、
御新姐
(
ごしんぞ
)
が
唸
(
うな
)
らしっけえ、
姑獲鳥
(
うぶめ
)
になって鳴くだあよ。もの、奥の小座敷の方で聞えべいがね。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……顔の前へ白い布をかけた、
姑獲鳥
(
うぶめ
)
のような女が抱いている子も、漢権守様のお手によって、やがては瞽婢にされるであろうよ
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お妻は石炭
屑
(
くず
)
で黒くなり、枝炭のごとく、
煤
(
すす
)
けた
姑獲鳥
(
うぶめ
)
のありさまで、おはぐろ
溝
(
どぶ
)
の
暗夜
(
やみ
)
に立ち、
刎橋
(
はねばし
)
をしょんぼりと、
嬰児
(
あかんぼ
)
を抱いて小浜屋へ立帰る。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
姑獲鳥
(
うぶめ
)
と
布柱
(
ぬのばしら
)
と盲人と、猩々との縦隊は声なく進み、その行く手の遥かのあなたには高く
厳
(
いか
)
めしく聳えている、
別櫓
(
べつやぐら
)
の方へ
蠢
(
うご
)
めいて行った。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
大
(
おおき
)
いのから小さいのから、その
蒼白
(
あおじろ
)
い筋のある、細ら長い、狐とも狸とも、
姑獲鳥
(
うぶめ
)
、とも異体の知れぬ、中にも虫喰のござります葉の
汚点
(
しみ
)
は、
癩
(
かったい
)
か、
痘痕
(
あばた
)
の幽霊。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
牡丹に立った白鷺になるよりも、人間は
娑婆
(
しゃば
)
が恋しかんべいに、産で死んで、
姑獲鳥
(
うぶめ
)
になるわ。びしょびしょ
降
(
ぶり
)
の
闇暗
(
くらやみ
)
に、若い女が青ざめて、腰の下さ血だらけで、あのこわれ屋の軒の上へ。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“姑獲鳥”の解説
姑獲鳥(こかくちょう)は、中国の伝承上の鳥。西晋の博物誌『玄中記』、明代の本草書『本草綱目』などの古書に記述があり、日本でも江戸時代の百科事典『和漢三才図会』に記述されている。
(出典:Wikipedia)
姑
漢検準1級
部首:⼥
8画
獲
常用漢字
中学
部首:⽝
16画
鳥
常用漢字
小2
部首:⿃
11画
“姑獲”で始まる語句
姑獲
姑獲女