如来様にょらいさま)” の例文
旧字:如來樣
「もうこの金は、お髯どのの金ではない、如来様にょらいさま賽銭さいせんにさしあげて、如来様から改めていただいたお金じゃよ。お守りのかわりに持っておいで」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寺の本堂ははなされて、如来様にょらいさまの前に供えられた裸蝋燭はだかろうそくの夜風にチラチラするのが遠くから見えた。やがて棺はかつき上げられて、読経どきょうが始まった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
毎朝興福寺の如来様にょらいさまを拝みに参ります婆さんで、これが珠数じゅずをかけた手に竹杖をせっせとつき立てながら、まだもやのかかっている池のほとりへ来かかりますと、昨日きのうまでなかった建札が
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
はい、はい、御尤ごもっともで。実はおかを参ろうと存じましてございましたが、ついこの年者としよりと申すものは、無闇むやみと気ばかりきたがるもので、一時いっときも早く如来様にょらいさまが拝みたさに、こんな不了簡ふりょうけんを起しまして。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主僧と原とは如来様にょらいさまの前に立ったり、古い位牌いはいの前にたたずんだりして、いろいろな話をした。歴代の寺僧の大きな位牌のまんなかに、むずかしい顔をした本寺ほんじ中興ちゅうこうの僧の木像がすえてあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
本堂には如来様にょらいさま寂然じゃくねんとしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)