よさ)” の例文
しかし私は決して真夜中には下へ降りなかった——たとえ、人のよさそうな婆さんでも何だか空怖しい気がしておりる気になれない。婆さんの頭は白髪しらがである。
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
茫然ぼんやりとした顔付かおつきをして人がよさそうにみえる。一日中古ぼけた長火鉢の傍に坐って身動きもしない。古いすすけたうちで夜になると鼠が天井張てんじょうばりを駆け廻る音が騒々しい。
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)