奉納ほうのう)” の例文
保安上ほあんじやう容易よういならぬ問題もんだいであるといふので(それにみだりに神社呼じんじやよばはりをこと法律はふりつゆるさぬところでもあるので)奉納ほうのう旗幟はたのぼり繪馬等ゑまとうてつせしめ、いはやから流出りうしゆつする汚水をすい酌取くみとるをきん
そこでピエールの仕事というのは大きなふくろを作って、それに町の人々が奉納ほうのうするお金や品物を入れて、ちんばを引き引きサンマルティンの尊像の安置してある険しい山に登ることでした。
かたわ者 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
此辺の豪農の家では、以前よく強盗に入られるので、二十円なり三十円なり強盗に奉納ほうのう小金こがねを常に手近に出して置いたものだ。無益の争して怪我するよりも、とあきらめて然するのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「ゴージアスと云う百姓がジュピターの神へ車を奉納ほうのうしたところが……」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
盲のすがたを見られたら、一の人たちにも恥ずかしゅうございます。なおしてください。八神殿の神々さま、その大望たいもうをとげましたら、わたしのこしにさしている般若丸はんにゃまるを、きッと奉納ほうのういたします
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)